こどものゆめを育むアトリエ

今、実は、新たに、年内にアトリエ開講を目指し、適切な場所を探しています。

これまでは、「飛ぶ教室」として、あちこちの区の施設や、学校に、講師が飛んで行く形でしたが、そろそろ、核となる場所が欲しくなってきました。

むろん、これまで通り、「飛ぶ教室」も続けますけどね。

先日、発見し、共感した記事。

乙武洋匡さん「日本の学校は、サラリーマン養成所」
http://www.huffpost.com/jp/entry/9240130

わたしも、ずっと以前から感じていたことですが、このくらい影響力のある方が発言くださると、さすがに話題ともなりますが、戦後から続く日本の教育体制は、そんなに簡単には変わらないのだろうなぁと思うと、ため息が出ます。

すぎやまが、今、最も必要だと感じていること。

それは、こどもたちの「ゆめをはぐくむ」ため、ジャンルにとらわれない、クリエイティブなアトリエ、こどもの居場所をつくることです。

今の日本は、こどものオリジナリティーや、「突出」した才能を認め、「ゆめ」を実現する機会を与えてもらえない。

それどころか、「周りと同じように振る舞えない」ことで、「ダメな子」のレッテルを貼られてしまうこどもたちが、いかに多いことか。

他はダメでも、なにか、ひとつだけでも得意なことや好きなことの才能が「突出」してたら。

そして「突出した才能」を、家族や周りが認めてくれ、それを「育む」ことを応援してくれたら。

もしかしたらその子は、その「突出した才能」だけで、生きていける可能性が、あるかもしれません。

でも、たいていの学校では、その子の持つ「突出」は「出る杭」のごとく叩かれ、均されてしまいます。

親や先生から、「そんなことより勉強しなさい」「好きなことで食べていけるはずない」と、既成観念を押し付けられて、「いいところ」に就職して「地道」なサラリーマンになるのが、その子にとって一番良いことだ、と、いつのまにか、刷り込まれ、ゆめをあきらめてしまいます。

その子に個性や意志が強く、「自分」を貫こうとすればするほど、親から反対され、周囲から阻害され、孤立し、イジメられます。

「突出」した子は、コミュニケーション的な能力が弱い子も多く、周りに誤解や軋轢を起こしやすい傾向にもあります。

下手をすると、イジメ、不登校、引きこもり、鬱、最悪の場合、精神的に追い詰められ、「死」を選択してしまう、と言った悲劇につながる可能性も否めません。

わたしも、同じ側の、ある意味「突出」したところと、「ダメ」なところのある個性的過ぎる「こども」でしたから、そんなこどもたちの気持ちはとても良くわかります。

実は、中学の頃は、いじめや、家庭の問題で悩み、かなり「生きにくさ」「窮屈さ」を感じていました。

その環境を、なんとか抜け出したくて、必死で勉強して入った女子美付属高校は、幸いにも、ほんとに私と同じような個性の強い、「突出した」そして「はみ出した」子達が多い環境でしたので、(笑)そこでようやく「同類」の友達を得られた私は、心底ホッとしました。

そんな学校に、運良く入学出来たことで、私は自分らしく、のびのびと振る舞えるようになり、また、女子美大に進んだ四年のあいだで、様々なことを学び、迷った末に、「漫画家」という自分の生き方を自ら「選択」することが出来ました。

もし、あそこで、女子美の受験に失敗、または、受験を許してももらえず、普通の学校に入っていたとしたら、今頃、どうなっていたか、想像もつきません。

わたしにとって、一番苦手で、苦痛なのが「普通のこと」なのですから。苦笑

わたしの個性を理解し、好きなことを一心に勉強したり、熱中出来る環境をあたえ、支えてくださった家族や、周囲の方々にも、感謝の言葉しかありません。

そして、紆余曲折はあったものの、この15年の間、幼児、小学生、中学生、高校生、専門学校生、社会人など、広い年代を対象に、「教える」仕事に取り組んだおかげで、友達とも、家族とも違う、「教え子」という、すてきな人間関係に出会う事ができ、とても幸せに感じています。

その教え子さんたちが、才能を発揮できる場所を、どのようにつくっていくか、を考えることで、自然にたどり着いたのが、みんなが好きなことを学べる場所=アトリエをつくることと、才能を新たに発見するための「コンテスト」を開催すること。

年齢、立場を超えた、ボーダーフリー(ボーダーレス+バリアフリー)な、自由度の高い学びの場を、模索しています。

今、ちょうど、NHKの朝ドラのヒロインが、女性のための学校をつくろうと、奮闘中ですが、彼女の、あの、理想実現のため、何者をも恐れない情熱には、感銘を受け、勇気をもらってます。

もちろん、全然規模は違いますが、わたしなりに、少しでも理想に近い場をつくるために、志を同じくする仲間を、募っていこうとしています。

その第一歩が、このイベントとなります。

こどものゆめ映画祭
https://www.facebook.com/events/1685878438291402/

具体的なお話しはまた次回。