8ミリフィルム映画アルビレオに寄せて。

8年間寝かしてきた8ミリ映画、「アルビレオ」について、描いてみます。

http://youtu.be/AmfqgCNk2Q4

「ALBIREO」は、ご存知、宮澤賢治の名作「銀河鉄道の夜」へのオマージュです。

原作にはあまり描かれることのなかった「いじめっ子(原作ではザネリ)」を中心に、3人の少年の「物語前」と「物語後」を勝手に想像し、創作しています。

銀河鉄道の夜」にオマージュを込めながらも、一味違う物語となるよう、登場人物の名前や設定を、少しずつ自分なりにアレンジしています。

原作にはない設定として、大切なキーワードとなるのが「飛行船」の存在です。

かつて、世界一周飛行の成功で、一世を風靡し、少年の空への憧れを叶えた飛行船。

そのツェッペリン型の飛行船の一つがほんの少し前まで、日本にも存在したことを皆さんはご記憶でしょうか?

実は、本当に奇遇なことに、この映画を撮り始めたばかりの時、「日本飛行船」という会社が立ち上がり、一般客を搭乗させる運行を始めよう、というタイミングで、立ち上げに尽力された一人の女性に出会いました。

その方のご進言と、代表並びに会社様のご厚意から、わたしたちの小さな映画に、本物の飛行船、それも、なんの広告も貼っていない、まっさらな飛行船を映画に登場させることが叶ったのです。

ただ、残念なことに、その後、程なくしてその会社は倒産してしまい、素敵な飛行船も解体されてしまったと聞いています。

それ以外にも、普通なら走らないSL夜汽車での撮影や、活版印刷所での活字拾い、和ガラス研究の第一人者であり、素晴らしいシンガーソングライターである庄司太一氏との出会いとイメージ楽曲提供など、この映画にはすべて奇跡としか思えないような出会いが次々起こり、無事撮影はクランクアップしましたが、様々な事情(主に資金面)により、編集作業がストップしたまま、早8年。

ご出演いただいた皆さんや、スタッフとしてお手伝いいただいた皆さんのためにも、そろそろなんとかしないと、、、汗

と、思っていたところに、
なんだか最近手を差し伸べたり、背中を押してくださるような流れが少しずつ出来てきました。

何度も何度もチャレンジしてはくじけてるのであまり大層なことは言えませんが、

こどものゆめ映画祭
https://www.facebook.com/events/1685878438291402/
時間が余れば、もしかしたら、わたしの8ミリフィルム映画も、上映するかも?

仙台文学館所蔵
「星の葬ホシノマツリ」 予告
http://youtu.be/26JUHkRtvLI

「ALBIREOアルビレオ」 予告
http://youtu.be/AmfqgCNk2Q4


登場人物紹介

カムィ
大学教授の息子でしっかり者。
クラスでは級長を務める優等生。
夢は天文学者
父親同士が古くからの友人のため
幼なじみのファルの家庭の事情を気遣う。
星祭りの夜、ボートから転落した友人、ファルを助けるが、そのまま行方不明となる。

ヴィタ
働きもので親孝行の少年。
父親は、借金を作り、遠くに働きに出たきり、戻らない。
母親は病気がちのため、ファルが家計を助けるため新聞社の活字拾いをして働く。
最近は学校に行っても居眠りしがち。
星祭りの夜、カムィと銀河鉄道に乗り宇宙を旅する夢を見る。
行方不明のカムィは、湖の底ではなく、宇宙の果てに居ることを信じて疑わない。

ファル
小柄で、はしっこく、いたずら好きな少年。
クラスメイトヴィタをからかったりするが、悪気はない。
街の音楽堂と楽団を経営するお金持ちの次男坊で、バイオリンを習わされている。
新しもの好きで、世界一周飛行中で話題の飛行船に夢中。
星祭りの日、灯篭を流すボートから湖に落ち、カムィに助けられる。
そのせいでカムィが湖の底から戻らないことで自分を責め、学校へ通えなくなってしまう。